親の香典は、参列者調査では最多回答額10万円・平均59,711円です(全互協・令和3年度)。ただし喪主を務める場合や同じ世帯の場合は包まないのが一般的です。年代別データと立場別の考え方、相場診断つき。
親(実親・義理の親)への香典は、葬儀の参列者調査では最多回答額10万円・平均59,711円です(全互協・令和3年度)。ただし、喪主を務める場合や親と同じ世帯で暮らしていた場合は、受け取る側にあたるため包まないのが一般的です。年代別の目安は香典相場診断でも確認できます。
要点は次の4つです。
- まず自分が香典を「出す側」か「受ける側」かを確認する
- 喪主・施主や同一世帯の子は包まないのが一般的
- 別世帯から参列する子の額は、調査では最多10万円(年代で差がある)
- 夫婦で参列するなら、義理の親の場合も連名で1つにまとめる
先に確認。あなたは香典を「出す側」かどうか
親の葬儀では、金額より先に迷うことがあります。そもそも子が香典を出すのか、という点です。
香典は本来、故人の家(喪家)に対して外から贈るもの、という考え方が広く共有されています。この考え方に沿うと、立場ごとの扱いは次のようになります。
- 自分が喪主・施主を務める場合。香典を受け取る側なので、包まないのが一般的です
- 親と同居し生計が同じだった場合。世帯として香典を受ける側にあたるため、個別には包まないのが一般的です
- 結婚や就職で別世帯になっており、喪主はきょうだいや残された親が務める場合。参列者として包むのが通例です
ただし、これはあくまで一般的な整理です。きょうだい全員で葬儀費用を分担するから香典は無し、と取り決める家もあります。判断に迷ったら、喪主か親族の年長者に「うちはどうするか」を直接確認するのが確実です。
親の香典の調査データ(年代別)
一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)が、個人葬の会葬者5,177名から回答を得た調査(令和3年度実施)では、親(実親・義理の親)への香典は次のとおりでした。
| あなたの年代 | 最多回答額 | 平均額 |
|---|---|---|
| 10代〜20代 | — | 12,667円 |
| 30代 | 5,000円 | 25,833円 |
| 40代 | 50,000円 | 97,762円 |
| 50代 | — | 45,190円 |
| 60代以上 | 100,000円 | 62,878円 |
| 全体 | 100,000円 | 59,711円 |
—=調査データなし(全互協調査でサンプル僅少のため非公表)
出典: 一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会「第6回 香典に関するアンケート調査」(令和3年度実施)
読み方の注意が3つあります。
- これは通夜・葬儀で参列者が実際に包んだ額の実態調査で、推奨額ではありません
- 「調査データなし」は、該当サンプルが得られなかったか僅少のため集計されていないセルです
- 報告書は、最多回答額と平均額の差が大きい続柄について、一部の高額な回答が平均を引き上げていると分析しています。30代の最多回答額5,000円と平均25,833円の開きも、この構造で読むと落ち着いて眺められます
親への香典は、続柄の中でも金額の幅がいちばん大きい区分です。同じ「子」でも、喪家との距離(同居か別居か、長男か否か、地域の慣習)で実際の額は変わります。他の続柄との比較は香典相場早見表でまとめて確認できます。
義理の親(配偶者の親)の場合
上の調査では、実親と義理の親は同じ「親」の区分で集計されており、区別されていません。
夫婦で参列する場合、香典袋は夫婦連名で1つにまとめるのが一般的です。中央に夫のフルネーム、その左に妻の名前だけを並べる形が広く使われています。妻の親の葬儀でも、香典の名義は世帯として1つにするのが通例です。表書きと連名の詳しい書き方は香典の書き方で図解しています。
包み方で迷いやすい4点
金額が決まったら、次の4点を確認すれば大きな心配はありません。
- 数字。4と9の付く額、偶数は避けるのがタブーとされています(全互協・全葬連のマナー解説)
- お札。新札は「事前に用意していた」と捉えられるため避けるとされています
- 表書き。仏式では四十九日より前は「御霊前」、以降は「御仏前」。浄土真宗では葬儀の時点から「御仏前」を使うとされています。詳しくは御霊前とはへ
- 墨。表書きは薄墨で書くのが正式とされますが、最近では黒インクでも問題ないとされています
香典を辞退される場合もある
近しい親族だけで送る葬儀では、喪家が香典そのものを辞退する場合があります。訃報や案内状に「御香典はご辞退申し上げます」とあれば、無理に包まず、その言葉に従うのが礼儀とされています。
自分のきょうだいが喪主で、辞退するかどうかをこれから決める立場なら、香典を受けるか・辞退するか・受けた場合の香典返しをどうするかまで、きょうだい間で先に決めておくと、当日の受付が混乱しません。
地域・宗派・家ごとの違い
香典の額や作法は、地域の慣習、宗派、家ごとの取り決めによって異なります。この記事は全国調査と一般的な例のご紹介です。迷ったときは、喪主や親族の年長者、式を担当する葬儀社に確認するのが確実です。
参列にまつわる実務も一度に済ませる
親の葬儀では、香典のほかにも決めることが続きます。
勤め先への連絡では忌引きの日数が気になるところですが、日数は法律ではなく勤務先の就業規則で決まります。忌引き日数チェッカーで続柄別の目安を確認しつつ、就業規則か人事への確認を先に済ませてください。
遠方の親族など、参列がかなわない方から香典の相談を受けたときは、弔電や現金書留という方法があることを伝えると親切です。
自分の続柄と年代でほかの目安も見たいときは香典相場診断へ。きょうだいの立場での考え方は兄弟・姉妹の香典相場にまとめています。
よくある質問
喪主を務める場合も親の香典は必要ですか?
包まないのが一般的です。香典は喪家に対して外から贈るもので、喪主は受け取る側にあたります。そのぶん葬儀費用の負担や当日の采配を担います。きょうだい間で費用をどう分担するかは、香典とは別に早めに話し合っておくと揉めにくくなります。
義理の親(配偶者の親)の香典は実の親と同じ額ですか?
全互協の調査では「親」の区分に実親と義理の親が含まれており、区別されていません。夫婦で参列する場合は、夫婦連名で1つの香典にまとめるのが一般的です。
親の香典で10万円は多すぎませんか?
全互協の調査(令和3年度)では、親への香典の最多回答額が10万円でした。ただしこれは実際に包まれた額の集計で、決まりではありません。年代・地域・喪家との関係で変わるため、きょうだいや親族の年長者と足並みをそろえるのが確実です。
香典を出さない立場の場合、何もしなくていいのですか?
喪主や同一世帯の家族は、香典の代わりに葬儀費用の負担や当日の運営を担うのが一般的です。別の形で弔意を示したい場合は、供花やお供えを喪主に相談してから手配する方法もあります。
親の葬儀の忌引きは何日取れますか?
忌引きの日数は法律で一律に決まっているものではなく、勤務先の就業規則によります。まず就業規則か人事に確認してください。続柄を選ぶだけで目安を確認できる忌引き日数チェッカーも用意しています。
出典