香典袋は、上段の表書き・下段の名前・中袋表の金額・中袋裏の住所氏名の4か所を書けば完成です。薄墨が正式とされますが、黒インクでも問題ないとされます。宗教別の表書き早見表と、立場別の連名の書き方つき。
香典袋に書くのは4か所です。①外袋の上段中央に表書き(通夜・葬儀なら「御霊前」が一般的)、②下段中央に自分のフルネーム、③中袋の表に金額を漢数字で、④中袋の裏に住所と氏名。薄墨が正式とされますが、黒インクの筆ペンやサインペンでも問題ないとされています(全葬連)。
書く場所を順番どおりにまとめると、次のとおりです。
- 外袋・上段中央 — 表書き(御霊前・御仏前など)
- 外袋・下段中央 — 名前(フルネーム。連名は右から)
- 中袋・表 — 金額(漢数字で)
- 中袋・裏 — 住所と氏名
以下、この順に一つずつ埋めていきます。
手順0:袋を確認する
書く前に、袋が場に合っているかだけ確認してください。香典袋の水引は、黒白または双銀の「結び切り」(不幸が繰り返されないようにという意味の、ほどけない結び方)が一般的です。蓮の花が描かれた袋は仏式専用なので、神式・キリスト教式では無地を選びます。
また全葬連の解説では、水引の色は包む額に合わせるとされています。黒白・青白は千円〜五千円、黄白は一万円〜五万円(主に西日本)、双銀は五万円以上が目安で、一万円以上を包む場合は印刷ではなく本物の水引を選ぶよう案内されています。
手順1:表書きを選ぶ(上段中央)
表書きは宗教と時期で決まります。全葬連の解説に沿った早見表です。
| 宗教・場面 | 表書き |
|---|---|
| 仏式(四十九日より前=通夜・葬儀) | 御霊前・御香典・御香料 |
| 仏式(四十九日法要以降) | 御仏前 |
| 浄土真宗(時期を問わず) | 御仏前 |
| 神式 | 御玉串料・御榊料・御神饌料 |
| キリスト教式(共通) | 御花料 |
| キリスト教式(カトリック) | 御ミサ料 |
| キリスト教式(プロテスタント) | 献花料 |
迷った場合は「御霊前(ごれいぜん)」が無難とされています。四十九日以前でも以降でも使えるためです(全葬連の解説)。
浄土真宗では「御霊前」を使いません
浄土真宗では、亡くなった時点で成仏すると考えるため、葬儀の時点から「御仏前(ごぶつぜん)」を使い、「御霊前」は使わないとされています。宗派がわからないまま迷ったときの考え方は御霊前とはで詳しく解説しています。作法は宗派だけでなく地域や寺院によっても異なるため、不安なら葬儀社に確認してください。
手順2:名前を書く(下段中央)
水引の下・中央に、表書きよりやや小さめにフルネームを書きます。立場別の書き分けは次のとおりです(全葬連の解説より)。
- 個人で出す場合。フルネームを中央に。姓と名の間にスペースは空けません
- 夫婦連名の場合。夫の姓名を中央に書き、その左側に妻の名前(名のみ)を書きます
- 妻が夫の代理で参列する場合。中央に夫の氏名、その左下に小さく「内」と書きます
- 会社名を添える場合。中央に氏名、その右側に会社名を書きます
- 部署一同で出す場合。中央に「〇〇部一同」のように書きます
- 上司の代理で参列する場合。本来参列する方の氏名を中央に書き、左横に「代」を添えます
- 友人など複数名の連名。右側に代表者(目上の人)、左へ順に。3名以上は代表者名+「外一同」とし、中袋に全員の氏名・住所を書きます
連名にするときの金額の考え方は友人の香典、職場での出し方は会社関係の香典相場で解説しています。
手順3:中袋の表に金額を書く
中袋の表の中央に、金額を漢数字(旧字体・大字)で縦書きします。算用数字(5,000など)は使わないとされています(全葬連の解説)。よく使う書き方の例です。
| 包む額 | 中袋の書き方(例) |
|---|---|
| 三千円 | 参仟圓 |
| 五千円 | 伍仟圓 |
| 一万円 | 壱萬圓 |
| 三万円 | 参萬圓 |
| 五万円 | 伍萬圓 |
| 十万円 | 拾萬圓 |
金額の後に「也(なり)」を付けるのが正式な書き方ですが、省略しても問題ないとされています(全葬連の解説)。
金額そのものにもタブーがあります。4・9の付く額と偶数は避けるとされています(全互協のマナー解説では2千円と2万円はかまわないとされています)。いくら包むかから迷っている方は、続柄と年代で目安がわかる香典相場診断と香典相場早見表をどうぞ。
手順4:中袋の裏に住所と氏名を書く
中袋の裏面に、住所と氏名を書きます。全葬連の解説では、住所は都道府県から書き始め、マンション名や部屋番号も省略しないよう案内されています。ご遺族が香典を整理し、香典返しを手配するときに使う情報だからです。
夫婦連名の場合は、ここでも夫の姓名を中央に、妻の名前を左側に書きます。
中袋がない香典袋のときは
中袋のないタイプでは、香典袋の裏面に金額と住所を書きます。全葬連の解説では、水引の下段左側に金額を、その右側に少し小さめの字で住所を縦書きするとされています。
薄墨と筆記具のマナー
- 表書きは薄墨で書くのが正式とされています。薄墨は悲しみや涙を表す色とされているためです
- 本来は毛筆が正式ですが、薄墨の筆ペンでも問題ありません。最近では黒インクでも問題なく、筆ペンやサインペンで書くのが一般的とされています
- 薄墨の濃さに決まりはありませんが、黒に近い濃さは避け、読みやすい薄さがよいとされています
出典: 全葬連「香典袋の書き方完全ガイド」「香典袋とは」
急な通夜で道具がそろわなくても、読みやすく丁寧に書いてあることのほうが大切です。
郵送するときも書き方は同じ
参列できず現金書留で送る場合も、香典袋の書き方はこのページの手順と同じです。全葬連の解説では、中袋の金額の記入漏れに注意し、欠席のお詫びとお悔やみを書いた手紙を同封するとされています。宛名は喪主にするのが一般的で、わからない場合はご遺族の代表者宛てに送ります。
書き終わったら:最終チェックリスト
- 表書きは宗教・時期に合っているか(浄土真宗は「御仏前」)
- 名前はフルネームか。連名の順番・「外一同」は正しいか
- 中袋の表に金額(漢数字)、裏に住所・氏名を書いたか
- 金額に4・9・偶数が入っていないか。新札を入れていないか(新札は事前に用意していたと捉えられるため避けるとされます)
- 袱紗(ふくさ)に包んだか。色や包み方は袱紗とはで図解しています
なお、結婚式などお祝い事の袋は書き方のルールが変わります。慶事はご祝儀袋の書き方をご覧ください。
よくある質問
薄墨の筆ペンが用意できないときは、黒で書いてもいいですか?
問題ないとされています。全葬連の解説では、表書きは薄墨で書くのが正式とされる一方、最近では黒インクでも問題なく、筆ペンやサインペンで書くのが一般的と案内されています。急な通夜で薄墨が手に入らないことを気に病む必要はありません。
表書きで迷ったら、何と書けばいいですか?
全葬連の解説では、迷った場合は「御霊前」が無難とされています(四十九日以前でも以降でも使えるため)。ただし浄土真宗では「御霊前」を使わず、葬儀の時点から「御仏前」を使うとされているため、宗派がわかっている場合はそちらに合わせてください。
夫婦で出すときは、妻の名前も書きますか?
全葬連の解説では、夫婦連名の場合は夫の姓名を中央に書き、その左側に妻の名前(名字は書かず名前のみ)を書くとされています。妻が夫の代理で参列する場合は、中央に夫の氏名を書き、左下に小さく「内」と記します。
連名は何人まで名前を書けますか?
全葬連の解説では、3名以上の場合は代表者名に「外一同」を添え、中袋に全員の氏名と住所を記入するとされています。2〜3名なら、右側に目上の人や代表者、左に向かって順に並べて書きます。
中袋の金額や住所は省略してもいいですか?
省略しないでください。全葬連の解説でも、中袋の金額の記入漏れは避けるべきこととされ、住所・氏名はご遺族が香典を管理するうえで必要な情報とされています。香典返しの手配にも使われるため、都道府県から部屋番号まで正確に書くのが親切です。
出典