メインコンテンツへスキップ
作法

宗派×作法

浄土真宗に位牌がない理由|過去帳・法名軸とは

浄土真宗に位牌がない理由|過去帳・法名軸とは
この記事のまとめ

浄土真宗では位牌を用いず、故人の法名は過去帳や法名軸に記して残すのが基本です。亡くなった時点で仏さまになるという教えと、位牌が儒教由来であることが理由とされます。宗派公式の案内をもとに、選び方と迷ったときの相談先をまとめました。

結論

浄土真宗では位牌を用いないのが基本です。亡くなった方は阿弥陀仏の救いですぐに仏さまになるという教えのため、霊の宿る場所としての位牌を必要としません。故人の法名や命日は、過去帳(帳面)か法名軸(小さな掛け軸)に記して残します。どちらを使うかは地域や寺院で異なるので、手次寺への確認が確実です。

このページは「浄土真宗のお仏壇に、位牌の代わりに何を置くか」の専用ページです。法名という名前そのものの意味は浄土真宗の法事で、いま手元にある位牌を整理したい場合は位牌の処分方法で解説しています。

浄土真宗に位牌がない2つの理由

理由1: 位牌はもともと儒教由来のもの

浄土真宗本願寺派の公式Q&Aでは、そもそも位牌は中国の儒家で用いられていたもので、亡き人の官位と姓名を記した牌であり、そこに神霊が宿ると信じられていた、と説明されています。つまり位牌は仏教オリジナルの仏具ではなく、儒教の習俗が日本の仏教に取り込まれたものです。

理由2: 亡くなった方はすでに仏さまになっている

浄土真宗では、亡くなった方は阿弥陀仏の救いによってすぐに浄土に生まれ、仏さまになると考えます(この教えは往生即成仏と呼ばれます)。魂がこの世にとどまって位牌に宿る、という前提そのものが教えに合いません。だから「霊の依り代」としての位牌を用いない、という整理です。

同じ理由で、浄土真宗では香典の表書きに「御霊前」を使わないとされています。こちらは浄土真宗の香典で詳しく解説しています。

位牌の代わりに使うもの1: 過去帳

過去帳(かこちょう)は、本願寺派の公式Q&Aで「先祖の記録帳のようなもの」と案内されている帳面です。亡き人の法名・俗名・死亡年月日などを記しておきます。

位牌との大きな違いは、位置づけです。位牌が「故人の霊が宿るもの」として一体ずつ祀られるのに対し、過去帳はあくまで家の記録。一冊に先祖代々の情報を書き継いでいけるので、世代を重ねてもお仏壇の中が窮屈になりません。過去帳は見台(けんだい)と呼ばれる台に載せてお仏壇に置くか、引き出しに保管するのが一般的とされています。

位牌の代わりに使うもの2: 法名軸

法名軸(ほうみょうじく)は、法名・俗名・没年月日・享年などを記した小さな掛け軸で、お仏壇の内側に掛けて用います。大手葬儀社・小さなお葬式の解説では、お仏壇に向かって右側の内側に両親など最近亡くなった方の法名軸を、左側に先祖代々の法名をまとめた総法名軸を掛ける例が紹介されています。

過去帳が「記録の帳面」なら、法名軸は「掛け軸に仕立てた記録」です。役割は重なるため、両方を必ず揃えるものではありません。どちらを主に使うかは地域や寺院の慣わしで分かれます。手次寺(お付き合いのあるお寺)に確認してから、寺院経由または仏壇仏具店で用意するのが安心な進め方です。

お仏壇の中心はご本尊

位牌の話と合わせて覚えておきたいのが、浄土真宗のお仏壇の中心はご本尊の阿弥陀如来だという点です。過去帳や法名軸は先祖の記録であって、礼拝の対象ではありません。手を合わせる先はあくまで阿弥陀さま、というのが浄土真宗の考え方です。

そのため、過去帳や法名軸はご本尊を遮らない位置に置く(掛ける)のが基本とされています。具体的な荘厳(おかざり)は本願寺派と大谷派で細部が異なるので、手次寺に確認してください。自分の家の宗派がわからない場合は、自分の家の宗派の調べ方から確かめられます。

すでに位牌がある・位牌を作りたい場合

他宗派から浄土真宗に変わった家や、先代が位牌を祀っていた家では、「いまある位牌をどうするか」が現実の悩みになります。自己判断で処分せず、まず手次寺に相談してください。過去帳や法名軸への書き換えなど、寺院ごとに対応の慣わしがあります。位牌を整理する場合の一般的な手順は位牌の処分方法に、仏壇ごと整理する場合は仏壇の処分方法にまとめています。

逆に「教えはわかったが、位牌の形で手を合わせたい」という気持ちが残る場合も、黙って作るのではなく手次寺に相談するのがおすすめです。家庭の事情を汲んだ落とし所を一緒に考えてもらえます。

宗派・地域・寺院による違い

お仏壇まわりの慣わしは、宗派だけでなく地域や寺院、家ごとの事情によっても異なります。この記事は宗派公式サイトなどの案内に基づく一般的な例のご紹介です。迷ったときは、手次寺(菩提寺)か仏壇仏具店に確認するのが確実です。

関連ページ

#浄土真宗 #位牌 #過去帳 #法名軸

よくある質問

浄土真宗で位牌を作ってはいけないのですか?

本願寺派の公式Q&Aや築地本願寺の案内では、浄土真宗は位牌を用いず過去帳を使うとされています。禁止の罰則があるという話ではなく、教えに合わないため用いないという整理です。家庭の事情で迷う場合は、お付き合いのあるお寺(手次寺)に相談してから決めるのが確実です。

過去帳と法名軸はどちらを用意すればいいですか?

どちらも故人の法名・俗名・没年月日などを記すためのもので、過去帳は帳面、法名軸は小さな掛け軸です。どちらを主に使うかは地域や寺院の慣わしによって異なるため、手次寺に確認してから用意するのが安心です。仏壇仏具店でも相談できます。

位牌の代わりに何をお仏壇に置きますか?

過去帳(見台に載せる)または法名軸(お仏壇の内側に掛ける)が一般的とされています。浄土真宗のお仏壇の中心はあくまでご本尊の阿弥陀如来で、過去帳や法名軸は先祖の記録という位置づけです。

他宗派で作った位牌がすでにある場合はどうすればいいですか?

自己判断で処分せず、まず手次寺に相談してください。過去帳や法名軸への書き換えを含め、寺院ごとに対応の慣わしがあります。位牌を整理する場合の一般的な手順と費用の考え方は、位牌の処分方法のページにまとめています。

過去帳には何を書きますか?

本願寺派の公式Q&Aでは、過去帳は先祖の記録帳のようなもので、亡き人の法名・俗名・死亡年月日などを記しておくと案内されています。記入を手次寺に依頼できる場合もあるので、法要などの機会に相談してみてください。

出典

  1. 浄土真宗本願寺派(西本願寺)「仏事・行事Q&A よくあるご質問」
  2. 築地本願寺「悩み・仏事相談」
  3. 小さなお葬式「浄土真宗では位牌を作らないのか?法名軸・過去帳・作りたい場合の方法を解説」