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葬儀保険とは|少額短期保険のしくみと加入前の確認点

葬儀保険とは|少額短期保険のしくみと加入前の確認点
この記事のまとめ

葬儀保険の多くは「少額短期保険」という仕組みで提供されています。保険金額が少額・保険期間が短いという特徴があり、通常の生命保険とは保護のしくみも異なります。金融庁・日本少額短期保険協会の公式情報をもとに、しくみと加入前に確認したい点を中立に整理しました。特定の商品の推奨や比較はしません。

結論

葬儀保険の多くは「少額短期保険」という仕組みで提供されています。保険金額が少額・保険期間が短い保障性の保険で、高齢でも加入しやすい商品があるとされます。一方で、保険金額には区分ごとの上限があり(死亡保険は300万円以下など)、生命保険契約者保護機構の対象外という、通常の生命保険とは違う点があります。この記事は特定の商品をすすめるものではありません。しくみと確認点を知ったうえで、契約内容の書面で自分のケースを確かめてください。

「自分の葬儀費用で家族に負担をかけたくない」という思いから、葬儀保険を検討する方は少なくありません。ただ、葬儀保険には通常の生命保険とは違うしくみがあります。まず全体像を整理します。

  • 葬儀保険の多くは「少額短期保険」という枠組みで提供されている
  • 少額短期保険は、保険金額が少額・保険期間が短い保障性の保険だけを扱う
  • 保険金額には区分ごとの上限がある(死亡保険は300万円以下など)
  • 生命保険契約者保護機構の対象外。そのかわり営業保証金の供託などの保全措置がある
  • この記事は商品を比較・推奨しない。しくみと確認点を中立に整理する

以下は金融庁・日本少額短期保険協会の公式情報にもとづく整理です。特定の商品名を挙げての比較やランキングは行いません。

葬儀保険と「少額短期保険」

葬儀保険としてよく提供されているのが、少額短期保険という仕組みの商品です。少額短期保険業とは、保険業法上の保険業のうち、一定の事業規模の範囲内で、保険金額が少額・保険期間が短い保障性の保険だけを引き受ける事業をいいます(出典: 日本少額短期保険協会)。

少額短期保険業は、内閣総理大臣(実務は各財務局)の登録を受けて営まれます。もともとは、根拠法のない共済について契約者を保護するため、平成18年から保険業法の規制の対象として制度化されたものです(出典: 金融庁)。

出典: 金融庁「少額短期保険業制度について」 https://www.fsa.go.jp/ordinary/syougaku/index.html

「少額」「短期」という名前のとおり、通常の生命保険と比べて保険金額の上限が低く、保険期間も短いのが特徴です。次で具体的に見ます。

保険金額の上限と保険期間

日本少額短期保険協会によると、少額短期保険は「保険金額が少額、保険期間1年(第二分野については2年)以内の保険で保障性商品の引受けのみを行う事業」と説明されています。

引き受ける保険金額には、1人の被保険者について区分ごとの上限があります。

区分保険金額の上限
死亡保険300万円以下
傷害死亡保険300万円以下
医療(傷害疾病)保険80万円以下
損害保険1,000万円以下
総保険金額1,000万円が上限

出典: 日本少額短期保険協会「少額短期保険業とは(消費者の皆様へ)」 https://www.shougakutanki.jp/general/consumer/insurance.html

葬儀費用にあてる保険であれば、死亡保険の区分に入り、上限は300万円以下です。葬儀の規模によっては、この上限内で足りるかどうかを、あらかじめ見込んでおく必要があります。葬儀費用そのものの考え方は家族葬の費用も参考にしてください。

保護のしくみが通常の生命保険と違う

ここが最も重要な確認点です。少額短期保険は、生命保険契約者保護機構・損害保険契約者保護機構の対象外です。日本少額短期保険協会は、この点を募集時に書面で説明し、契約者から書面を受領した旨の署名・押印を得ることとしています(出典: 日本少額短期保険協会)。

通常の生命保険では、保険会社が破綻しても保護機構が一定の範囲で契約を保護します。少額短期保険にはこの機構による保護がありません。そのかわり、少額短期保険業者には別の保全措置が課されています。日本少額短期保険協会によると、営業保証金の供託(前事業年度の年間収受保険料×5%+1,000万円)などが義務づけられ、責任準備金の積立なども求められます。

加入前に必ず確認したいこと

少額短期保険は、通常の生命保険とは保護のしくみが異なります(保護機構の対象外)。加入を検討するときは、①保険金額の上限で葬儀費用をまかなえるか、②保険料が年齢とともに上がる仕組みか、③契約を続けられる年齢に上限があるか、④保護のしくみ、の4点を、契約概要・注意喚起情報の書面で必ず確かめてください。掛金の安さだけで判断しないことが大切です。

登録された業者かを確認する

少額短期保険業を営むには、財務局への登録が必要です。金融庁は、登録された少額短期保険業者の一覧を公表しています。検討している商品の提供元が正規に登録された業者かどうかは、この一覧で確認できます。

出典: 金融庁「少額短期保険業者」(登録業者一覧) https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/shougaku.html

「入るべきか」は人それぞれ

葬儀保険に「入るべき」「入らないほうがよい」と、一律に言うことはできません。すでに十分な預貯金がある方、通常の生命保険に加入している方、逆に高齢で通常の生命保険に入りにくい方など、事情はさまざまです。

この記事の役割は、加入を判断する前提となる「しくみ」と「確認点」を、中立に整理することです。次の順序で確かめてください。

  1. 葬儀にどのくらいの費用を見込むかを、先に把握する(家族葬の費用などを参考に)
  2. 保険金額の上限で、その費用をまかなえるかを確認する
  3. 保険料の仕組み(年齢で上がるか)・継続できる年齢・保護のしくみを書面で確認する
  4. 迷うときは、独立した立場の専門家や、複数の情報にあたって判断する

なお、葬儀への備えは保険だけではありません。互助会という仕組みもあり、しくみと確認点は互助会とはで整理しています。自分の希望を家族に残しておく方法として、エンディングノートも選択肢になります。

この記事について

本記事は、金融庁・日本少額短期保険協会が公表している情報をもとに、葬儀保険(少額短期保険)のしくみと確認点を中立にまとめた一般的な解説です。特定の商品の推奨・比較・ランキングは行いません。加入の可否・契約内容は、各商品の契約概要や注意喚起情報の書面、保険会社の窓口でご確認ください。

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よくある質問

葬儀保険とは何ですか?

葬儀費用にあてることを想定した保険で、多くは「少額短期保険」という仕組みで提供されています。少額短期保険は、保険金額が少額で保険期間が短い保障性の保険だけを扱う事業です。高齢でも加入しやすい商品があるとされる一方、保険金額に上限があり、通常の生命保険とは保護のしくみも異なります。加入前に契約内容と確認点を必ず確かめてください。

少額短期保険の保険金額に上限はありますか?

あります。日本少額短期保険協会によると、1人の被保険者について引き受ける保険金額には区分ごとの上限があり、死亡保険は300万円以下、傷害死亡保険は300万円以下、医療(傷害疾病)保険は80万円以下、損害保険は1,000万円以下で、これらの総額は1,000万円が上限とされています(出典: 日本少額短期保険協会)。

葬儀保険は生命保険契約者保護機構の対象ですか?

少額短期保険は、生命保険契約者保護機構・損害保険契約者保護機構の対象外です。日本少額短期保険協会は、この点を募集時に書面で説明することとしています。そのかわり、少額短期保険業者には営業保証金の供託などの保全措置が課されています。保護のしくみが通常の生命保険と異なる点は、加入前に理解しておく必要があります(出典: 日本少額短期保険協会)。

葬儀保険に入るべきですか?

加入すべきかどうかは、ご自身の資産・家族構成・すでにある保険や預貯金の状況によって変わり、一律には言えません。この記事は葬儀保険のしくみと確認点を中立にまとめたもので、加入をすすめるものでも、やめるようすすめるものでもありません。判断に迷うときは、契約内容を確認したうえで、保険会社の窓口や独立した専門家に相談してください。

「葬儀保険 500円」といった安さで選んで大丈夫ですか?

掛金の安さだけで判断するのは避けたほうが安全です。保険料が手頃でも、受け取れる保険金額の上限、保険料が年齢とともに上がる仕組みかどうか、契約を続けられる年齢の上限、保護のしくみなど、確認すべき点があります。パンフレットや契約概要・注意喚起情報の書面で、これらを確かめてから判断してください。

出典

  1. 金融庁「少額短期保険業制度について」
  2. 日本少額短期保険協会「少額短期保険業とは(消費者の皆様へ)」
  3. 金融庁「少額短期保険業者」(登録業者一覧)