香典返しは、いただいた香典の半額程度を目安(半返し)に、忌明け後に挨拶状を添えて贈るのが一般的です(全葬連)。葬儀当日に渡す即日返しの考え方、高額の香典への対応、品物の選び方と避けたい品、香典返しをしない場合の作法まで、この1ページで全体像がつかめます。
香典返しは、いただいた香典の半額程度を目安(いわゆる半返し)に、忌明け後(四十九日法要のあと)に挨拶状を添えて贈るのが一般的です(全葬連)。葬儀当日に一律の品を渡す「即日返し」も増えています。品物は食品や洗剤など消えものが好まれ、刃物・櫛・赤いもの・現金は避けるとされています。
このページは香典返しの全体像(意味・金額・時期・品物・しない場合)をまとめた基本ガイドです。掛け紙(のし)の表書きや名入れは香典返しののしに分けています。
押さえるのは、この4点です。
- 金額 → いただいた香典の半額程度が目安(半返し)
- 時期 → 忌明け後。遅くとも法要後1ヶ月以内がよいとされる
- 品物 → 消えもの中心。刃物・櫛・赤いもの・現金は避ける
- 挨拶状 → 必ず添える。忌明けの報告を兼ねる
香典返しとは|2つの意味がある
香典返しとは、葬儀や法要に参列してくださった方からいただいた香典へのお礼として贈る品物です。全葬連の解説では、単なるお礼の品ではなく、2つの意味があるとされています。
- 参列と香典への感謝を伝えること
- 四十九日を営み、無事に忌明けを迎えたことを知らせること
出典: 全葬連「香典返し:香典返し完全ガイド」 https://www.zensoren.or.jp/dictionary/dictionary_37.html
2つ目の「忌明けの報告」という意味があるため、香典返しの時期は忌明けと結びついています。忌明けそのものの意味と過ごし方は忌明けとはで解説しています。
金額の目安|「半返し」が一般的
全葬連の解説では、香典返しの金額はいただいた香典の半返し(半額)が一般的とされています。1万円をいただいたら5千円程度の品、という考え方です。
ただし、香典の金額が高額の場合はその限りではないとされています。高額な香典返しは、かえって相手に気を遣わせてしまう可能性があるためです(全葬連の解説より)。親族間の考え方は家によって違うので、迷ったら親族の年長者に相談してください。
いただく側の香典の金額データ(続柄・年代別の実態調査)は香典相場早見表にまとめています。
即日返し(当日返し)の場合
最近では、葬儀や法要の当日に香典返しを渡す「即日返し」も増えています。全葬連の解説では、即日返しでは香典の金額にかかわらず一律の金額の品物を用意するのが一般的とされています。郵便局のネットショップの解説では、数千円程度の同じ品物を渡すことが多いとされています。
高額の香典をいただいた方には、当日の品だけでは釣り合いが取れません。この場合は忌明け後に改めて、香典の半額から当日の品物の額を引いた程度の予算でお礼の品を贈る方法が案内されています(郵便局のネットショップ)。
出典: 郵便局のネットショップ「香典返しの掛け紙(のし紙)を徹底解説!」 https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_92.aspx
時期|忌明け後、遅くとも1ヶ月以内
全葬連の解説では、香典返しの時期は次のように案内されています。
- 忌明け後(四十九日法要を営んだあと)に贈るのが一般的
- 地域や宗派によっては三十五日や五十日など異なる
- 四十九日法要を終えてから、遅くとも1ヶ月以内がよい
- 事情で遅れてしまう場合は、挨拶状にお詫びを一言添える
四十九日がいつになるかは命日から計算できます。法要日程計算機に命日を入れれば、忌明けの日付がすぐわかります。
品物の選び方|「消えもの」が基本
全葬連の解説では、品物選びのポイントとして、実用性(日常で使える)、消耗品(食品や洗剤など消費できるもの)、日持ち、かさばらないこと、相手の好み、いただいた金額との釣り合いが挙げられています。
定番はお茶・海苔・お菓子・洗剤などです。郵便局のネットショップの解説では、後に残らないものを選ぶのが基本のマナーとされ、相手が品物を選べるカタログギフトも定番になっています。会社など大人数へのお返しには、分けやすいお菓子が向くとされています。
避けたい品物
全葬連の解説でタブーとされているのは次の4つです。
| 品物 | 避ける理由 |
|---|---|
| 刃物 | 「縁を切る」を連想させるため |
| 櫛(くし) | 「苦」「死」を連想させるため |
| 赤いもの | 祝い事を連想させるため |
| 現金 | 香典をそのまま返すことになるため |
商品券や金券も、香典返しには適さないとされています(郵便局のネットショップの解説より)。
渡し方と挨拶状
全葬連の解説では、香典返しは手渡しでも配送でも問題ないとされています。配送する場合は挨拶状を添えます。挨拶状に盛り込むのは次の3点です。
- 弔問・会葬・香典(ご芳志)への感謝
- 忌明けの法要を営んだことの報告
- 供養のしるしとして品物を送る旨
書き方のマナーとして、忌明け前に書くなら薄墨・忌明け後なら黒、句読点は付けないのが慣例とされています(全葬連の解説より)。実際には、百貨店やギフト店・葬儀社が定型の挨拶状を用意していることが多いので、品物の注文時に相談すると間違いがありません。挨拶状の内容と忌明け後の流れは忌明けとはでも解説しています。
香典返しをしない場合
全葬連の解説では、香典返しは必ず行わなければならないものではないとされています。しない場合の作法として、次の2つが案内されています。
- 香典を辞退する場合は、その旨を葬儀の案内状や死亡通知に明記しておく
- 香典返しに代えて寄付する場合は、寄付先と金額を記した挨拶状を、香典返しと同じ時期に送る
また地域の慣習として、北関東(主に埼玉・栃木・群馬)や沖縄には、参列者が香典を少額に抑え、遺族は香典返しをしないという「新生活運動」を推進している地域があります(家族葬のファミーユの解説より)。該当しそうな地域の葬儀では、新生活運動に賛同した葬儀かどうかを地元の葬儀社に確認すると確実です。
葬儀全体の費用感の中で香典返しを位置づけたい方は、家族葬の費用相場もあわせてご覧ください。
宗教・地域による違い
香典返しの時期や金額の考え方は、宗教・宗派、地域、家ごとの慣習で異なります。神式では五十日祭、キリスト教式では追悼ミサや召天記念日のころに相当の品を贈る例が紹介されていますが、いずれも一般的な例です。迷ったときは菩提寺や葬儀社、品物の注文先に確認してください。
関連ページ
よくある質問
香典返しは必ずしなければいけませんか?
全葬連の解説では、必ず行わなければならないものではないが、香典返しをすることが日本の慣習・マナーになっているとされています。行わない場合は、香典を辞退する旨を葬儀の案内状や死亡通知に明記しておくのがよいと案内されています。香典を寄付に代える方法もあります。
即日返しを渡した相手から高額の香典をいただいていました。どうすればいいですか?
忌明け後に改めて品物を贈る方法が案内されています。郵便局のネットショップの解説では、いただいた香典の半額から、当日お渡しした品物の額を引いた程度の予算で、お礼の品を用意するとされています。
香典返しはいつまでに送ればいいですか?
全葬連の解説では、忌明け後(四十九日法要のあと)に贈るのが一般的で、四十九日法要を終えてから遅くとも1ヶ月以内がよいとされています。事情で遅れる場合は、挨拶状にお詫びを一言添えます。地域や宗派によって三十五日・五十日など時期が異なる点にも注意してください。
香典返しに商品券を贈ってもいいですか?
避けたほうが安心です。全葬連の解説では、現金は香典をそのまま返すことになるためタブーとされています。郵便局のネットショップの解説でも、商品券や金券は香典返しには適さないとされています。金額がはっきり伝わる点でも好みが分かれるため、品物かカタログギフトが無難です。
香典返しに「のし」は付けますか?
弔事では、のし(熨斗)の付いた「のし紙」ではなく、水引だけが印刷された「掛け紙」を使うのが一般的です。表書きは「志」(西日本では「満中陰志」も)とします。選び方と書き方は、香典返しののしページで詳しく解説しています。
出典